ムコネットTwinkle Days 命耀ける毎日

稀少難病と向き合う患者家族と理解者たちの輪番日記。
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診療報酬改定で期待したいこと・・・・の答え合わせ

こんにちは、火曜日担当の高畑です。

 

昨年12月12日のブログに「診療報酬改定で期待したいこと」という記事を投稿しました。

そこで『DPC/PDPS』に注目しているということを書いたんですが、3月5日に診療報酬改定の告示・通知が発出されたので、「では、いったいどう何たんだろう」と内容を確認してみました。

 

 

DPC/PDPSは導入されてから20年余りが経過しており、その間に当初の制度設計時には無かった高額な薬剤などが上市されるなど、環境に大きな変化が生じていました。

そこに制度と実際の医療との矛盾が出てきていたことに対し、今回の診療報酬改定で何らかの対応がなされるのかどうか注目していたのですが、一部の難病治療薬について、その薬剤を使用した場合の新たな評価(分岐)が設定されておりました。

 

 

学会や患者会の方々が要望を上げていたということを耳にしていたのですが、厚生労働省としてそうした声をしっかりと受け止めて対応された、ということです。

とても喜ばしいことですね。

 

 

診療報酬は世界に誇る我が国の国民皆保険制度の重要な部分を担うもので、提供される医療への値付け表であり、その内容如何で提供される実際の医療の質や量に大きな影響をもたらすものです。

通常、2年に一回の見直しが行われるのですが、その膨大な量から、医療の進歩や環境の変化の全てを見直しに反映させるというのは本当に「無理ゲー」でして、「ここをこう変えた方が良い」「実態と診療報酬が乖離している」といった声を気付いた人が厚生労働省に届ける必要がありますし、それが適切に改定時に反映される必要があります。

希少疾病・難病においてはこの対応がとても難しく、それは気付ける人、当事者という立場の人が圧倒的に少数であるが故に「気づく人」も「声をあげる人」も少なくなってしまう、ということがあるのです。

 

 

そうした中で今回の診療報酬改定でなされた対応は、本当に素晴らしいものだと思っています。

声をあげた人たちも、その声に応えた人たちも、「Good Job!」です。

 

 

今回のこうした答え合わせの結果を目の当たりにして、改めて、知って、考えて、行動する、ということの意義と重要性を実感しました。

気がついた人がしっかりと声を上げて、それが施策に反映され、次の世代の人たちにより良い環境を残すことができる、それを目の当たりにすることができたからです。

 

嬉しい答え合わせの報告ができて、よかったなと思う今回のブログでした。

 

火曜日担当・高畑紀一




| 2024.03.19 Tuesday (00:00) | 高畑紀一 | - | - |
遠くで心配するより、近くで心配する方がええわなぁ。

JUGEMテーマ:健康

 

🏥遠くで心配するより、近くで心配する方がええわなぁ。

 

こんにちは。中井ファミリーです。

今日の大阪は少し暖かく、雲は多いものの日差しが明るい霞晴れ。

山笑う大阪。

「山笑う」は春の季語だそうです。

春は山も笑うんですね!

 

先日、わが家の長男は大学病院に検査入院してきました。

アメリカでの治験参加帰国後から治療薬が日本で承認されるまでは、毎週投与のために大学病院へ日帰り入院で通っていました。

それ以降は毎年の検査や手術のための入院と、今は臨床試験参加しているので毎週通院を続けています。

 

これまで一番長った入院は、2011年小学生の時の頸椎手術で1か月ほどかかりました。

術後はすぐに病棟に戻れず、一晩HCU(高度治療室)で過ごすということで、私は付き添いを申し出ました。

(手術に立ち合わせて頂きたいとお願いしましたが、こちらは残念ながら却下されました。)

長男のアメリカでの治験参加一年半は、日本とアメリカの二重生活を支えるために日本に残った私はとにかく仕事を続けて稼がねばならず、治験中は一緒に過ごせなかったことから、こんなことしかできないけれどこんな時こそ一緒にいて少しでも安心してもらいたいと思い、ベッド横の丸椅子に座って看護師さんの邪魔にならないように、術後の嘔吐と痛みと闘う長男に寄り添いました。

 

翌朝、病棟の洗面台へ行くと、入院中のパジャマ姿の女性がHCUから出てきた私を見て、

「なんやアンタ、寝ずの看病か?」

と声をかけられました。

普段着で、その上ボロボロの顔をしていたのですぐに分かったのでしょう。

私がうなずくと、

「そやなぁ〜、遠くで心配するより、近くで心配する方がええわなぁ。」

と。

わが家のこれまでを知ってるのかと思えるほどの一言にびっくりしました。

声にこそ出しませんでしたが、

⦅ホンマにその通りやわ⦆

何とも救われるような大阪のおばちゃんの一言に、この人もこれまで心配してきた人がいるんやろうな、優しい人やなと思えました。

今でも忘れられない一場面です。

 

写真は2021年の検査入院に付き添った際、病院用の上履きを新調した時のものです。

病院でも気持ちを上げていたいと思い選んだ上履き用のおしゃれサンダルです。

まだまだ使えると思っていたのですが、2005年から16年。

裏を見ると、穴が開いていました。

検査入院

(上履きサンダル 旧→新)

 

でも、せっかく新調したのに、この後コロナ禍で付き添いが出来なくなり、そうこうしているうちに長男は検査だけなら、一人で入院できるようになってしまいました。

嬉しいやら、ちょっぴり悲しいやら。。。

 

さぁ、気持ちを切り替えて、一人でも『免疫の壁』になるために麻疹(はしか)の予防接種を受けに行かねばなりません!

(後日:予防接種法改正の活動で学ばせていただき、MRワクチンの追加接種をしていました。わが家のお父さんも接種済みです。)

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240312/k10014388191000.html

 

木曜日担当 ムコ多糖症2型長男の母 中井まり




| 2024.03.14 Thursday (12:00) | 中井 まり | - | - |
麻疹(はしか)に注意が必要です。ワクチン接種も検討してみて!

こんにちは、火曜日担当の高畑です。

 

下記のニュース、とても心配です。

 

関西で相次ぎ感染報告 感染力“最強クラス”「はしか」対策 あなたは何回ワクチン接種した?

 

麻疹(はしか)は非常に感染力が強く、空気感染する数少ない感染症です。

麻疹の患者さんと同じ場所にいただけでも感染するリスクがある、そんな疾病です。

 

現在、定期接種として1歳と小学校入学前の2回、接種が行われています。

ワクチンの効果は非常に高く、ワクチンにより十分に感染予防が期待できます。

 

しかし、一方で麻疹に感染する子どもが予防接種で限りなく抑えられたため、自然に流行することが極端に減ったため、以前であれば子ども時代に接種したワクチンの効果に加えて、その後の流行期にウイルスに触れることで自然に抗体が高まる、いわゆるブースター効果が発揮されていたのですが、それが現在では期待できないため、接種から時間が経っている世代の抗体が低下している、という指摘もあります。

そのため、一旦国内に持ち込まれると、感染が拡大してしまうというリスクが高くなっているのです。

 

 

麻疹は「命定め」と言われていた時代があるほど、重症化した場合に命を落とす危険性もある感染症ですし、また、幸いに回復したとしても神経節の中にウイルスが潜伏し、それが後に活性化することで「亜急性硬化性全脳炎(SSPE)」という重篤な疾病を引き起こすことがあるため、「感染しないこと」を最優先すべき感染症といえます。

ワクチン接種が可能な時期が1歳とされており、それに満たない乳児は接種ができませんし、またワクチンがウイルスを弱毒化した「生ワクチン」ですので、免疫不全等で接種ができない方もいます。

感染力が非常に強い麻疹に、ワクチン接種を受けたくても受けられずに晒されてしまう方々が少なからずいらっしゃるのです。

 

 

こうしたことを考えても、麻疹に対してはワクチンを打てる人がしっかりと接種をして、社会的免疫力を高めておく必要があります。社会集団が感染を防ぐことで、ワクチン接種ができない方も守る、そういう考え方です。

冒頭に説明したように麻疹は空気感染するものですからマスクなどでは防げませんし、ワクチンによる予防が唯一の予防策といえます。
日本では一例でも発症が確認されると驚きを持ってニュースになる麻疹ですが、世界ではまだまだ流行を繰り返している地域もあります。
国内では落ち着いたからといって、予防の必要性がなくなったわけではありません。
むしろ、国内で発生しないことで自然のブーストを得られ難くなっている今だからこそ、任意接種とはなりますが、ワクチンの追加接種を考えてもいいのではないかな、と思っています。
かくいう私も、自費で追加接種しています。
身近な人を守るためにも、ぜひ、麻疹のことを知り、ワクチン接種を検討してみてはいかがでしょうか。
火曜日担当。高畑紀一

 




| 2024.03.12 Tuesday (00:00) | 高畑紀一 | - | - |
新生児マススクリーニングは「予防医療」として拡大していると言える

JUGEMテーマ:健康

 

新生児マススクリーニングは「予防医療」として拡大していると言える

 

こんにちは。中井です。

 

3月3日(日)「第18回遺伝カウンセリング学会アドバンストセミナー」が開催されました。

大阪大学 酒井規夫先生、大阪公立大学 濱崎考史先生のもと、全国各地から参加された医療関係の方々が午前9時から午後3時まで、拡大新生児スクリーニングの「意義」を伝えるため、愚直に果敢に、時に涙して、時に赤ちゃんを抱えながら、ロールプレイを繰り返されました。

ムコネットTwinkle Days中井はこの機会に学ばせていただくべく、オンデマンドビデオ講師として、また当日は6時間参加させていただきました。

最後の総合討論では発言の機会を頂き、みなさまに学びのお礼と少しお話しさせていただきました。

 

 

Take Home Message

大阪大学 酒井規夫先生:新生児マススクリーニングは、小児医療のみならず、医療の中での早期診断・早期治療を目指す「予防医療」として拡大していると言える。

 

理解いたしました。

先生方、参加されましたみなさま、この度はありがとうございました。

 

 

👶「拡大新生児マススクリーニング」って何やねん?

http://blog.muconet-t.jp/?eid=949797

 

👶拡大新生児スクリーニング検査

https://www.yobouigaku-tokyo.or.jp/baby/optional/

 

 

木曜日担当 ムコネットTwinkle Days 中井まり

 




| 2024.03.07 Thursday (12:00) | ムコネットTwinkleDays | - | - |
予防接種の必要性を知る機会

こんにちは、火曜日担当の高畑です。

 

最近、TVのCMで「帯状疱疹」のCMを目にすることが増えています。

「みたことあるよ」という方も多いのではないでしょうか。

帯状疱疹という疾病は、ザクっと言うと「以前に水痘(水ぼうそう)に罹った時に、水痘ウイルスが体の中に残っていて、それが何らかの理由で免疫が低下した場合などに活発に動くことで、症状が出る」というものです。

 

私の世代の方は、ほとんどの人が水ぼうそうに罹っていますから、帯状疱疹を発症するリスクを有しているんですよね。

実際に発症したことがある方も珍しくなく、ご自身が発症した方や身近な人が発症したという方は結構いらっしゃいます。

なので、帯状疱疹という疾病そのものについてはそれなりに認知度が高いと思っています。

ところが、「帯状疱疹はワクチンで予防できる」ということはあまり知られていません。

病気のことは知っている、だけども予防法があることは知らない、という状態です。

最近よく目にするTV CMで、「へー、ワクチンがあったんだ」「予防接種で予防できるんだ」と知った方も多いでしょう。

 

予防接種は健康な状態で接種するものです。

疾病の治療と違い、何らかの症状が出てきて、辛い、苦しいという状態を改善したくて医療機関に受診する、というものではありません。

何も症状がない時に、医療機関に足を運んで接種しなければなりません。

症状があれば、その症状を軽くしたい、回復したいと思い、そのための情報を探すことになります。

でも、健康な状態で何の症状もなければ、なかなかその状態を保つための情報を探すことはありません。

そういう性質のため、予防接種やワクチンについては、必要な方に必要なタイミングで情報を届けることがとても難しいのです。

 

帯状疱疹とその予防接種に関するCMを頻繁に目にするようになり、こうして多くの方に知っていただける機会が増えたことを嬉しく思っています。

医薬品に関する情報提供は、薬機法やガイドラインで厳しく制限されています。

そうしたこともあり、なかなか広く広告を出すということに慎重だという面があります。

 

ただし、予防接種、ワクチンについては必要なタイミングに自ら情報を探しに行く、というものではないので、こうした広告などはもっと活用されても良いのではないか、と思っています。

 

 

火曜日担当・高畑




| 2024.03.05 Tuesday (00:00) | 高畑紀一 | - | - |